「博士ちゃんSP」で明かされた北斎と娘・応為の秘密
今日放送された「博士ちゃんSP」では、葛飾北斎の驚くべき謎と、その裏に隠された家族の物語が紹介されていました。番組の案内人は、“北斎博士ちゃん”こと高校生の目黒龍一郎君。彼は毎朝5時に起きて北斎の絵を研究し続けているという、まさに現代の若き芸術博士です。
番組では、北斎の代表作に潜む数々のトリックが取り上げられました。視線を自然に誘導する構図、まるで立体のように見える平面の技法、そして切り抜けば立体になる「おもちゃ絵」など、北斎の遊び心と計算力のすごさに圧倒されました。
中でも印象的だったのは、「菊図」に隠された謎です。研究者たちは、青い菊だけが他の花と違って立体的に描かれていることに注目しました。実はこの部分、北斎の娘・応為が描いた可能性が高いとされているのです。陰影を巧みに使った表現は、応為の代表作「吉原格子先之図」と共通しており、彼女の高度な技術が父の作品に生かされていたのかもしれません。
<p>また、北斎が晩年に描いた「富士越龍(ふじこしのりゅう)」も登場しました。雪化粧の富士山から天へと昇る黒い龍――それはまるで現実と幻想が交差する瞬間を描いたような、圧倒的な迫力を持つ一枚です。北斎が85歳でこの絵を描いたという事実にも驚かされます。
龍一郎君の言葉で印象に残ったのは、「北斎は“富士”“不時”“断じて”という言葉をかけて、人生の締めくくりをこの絵に込めたのでは」という考察です。まさに、北斎が生涯をかけて追い求めた“創造の極み”を象徴しているように感じました。
今日の放送を通じて、北斎の絵の奥深さ、そして親子の絆の物語に胸を打たれました。時代を超えて、今もなお多くの人の心を動かす北斎。その天才ぶりを、博士ちゃんの純粋な目線で再発見できた素晴らしい番組でした。